コラム

2017.5.12

AdExchanger主催 "Programmatic I/O" in San Franciscoレポート

「プログラマティック広告の流れはもう止まらない!」~ AOL社員、野村晃一より参加レポートをお届けします。
はじめに

4/4~4/5に米国サンフランシスコにて開催されたPROGRAMMATIC I/Oに参加してきた。当イベントは、毎年春/秋にそれぞれSan Francisco/New Yorkにて開催され、業界のリーダーによるプレゼンテーションをはじめ、パネルディスカッション、コーヒーブレーク、ランチ、パーティーでのネットワーキングからなるイベントだ。今回は2日間で70人のスピーカーによる24ものプレゼンテーション/パネルディスカッションに、1,000人以上の業界関係者が参加するというものだった。今日はここで概要および現地の様子をお届けしたい。

Programmatic I/O in San Francisco
Programmatic I/O in San Francisco

1日目は、参加者の任意で主に「PROGRAMMATIC ESSENTIALS WORKSHOPS」と、「PROGRAMMATIC OPS TALKS」のどちらかのコースを選択し参加するというもの。他にも、午前中にプログラマティックの基礎知識・概要について3時間という短時間で学び、午後はPROGRAMMATIC ESSENTIALに参加するという「PROOGRAMMATIC 101」というコースも。筆者は「PROGRAMMATIC ESSENTIALS」に参加した。各テーマの基礎から最新のホットトピックまで網羅するといった内容で、主にプレゼンテーション形式で行われた。本コースは、インハウスでのプログラマティック活用事例、データ、クロスデバイスでのマルチタッチアトリビューションといった広告主サイドのマーケター向けのテーマや、媒体社のダイレクト販売からプログラマティック販売へのシフトについて、既存のウォーターフォール型販売からPMP、ヘッダー入札など媒体社のマネタイズ手法に関連した媒体社向けのテーマと多岐にわたる。筆者にとっては不得意かつ普段馴染みの無い分野について網羅的に聴講できたのは刺激的で大変参考になったとともに、馴染みのある分野についても新たなアイデアやテーマに触れる非常に良い機会となった。

Programmatic I/O in San Francisco Programmatic I/O in San Francisco

2日目は、1日目のプレゼンテーションと密接に関連したテーマについての未来志向のパネルディスカッションが多かった。特に印象に残ったのは、「Why The Future Of Digital Advertising Is Brighter Than Ever Before (11:30-)」と「Transparency Today - What You Can Do (12:10-)」である。前者は、昨年秋に米国ナスダックに上場したThe Trade Desk社のCEOがプログラマティック広告の未来について語ったプレゼンテーション。極端な図と単純な言葉を用いて繰り広げられる主張は、自信と説得力に溢れていた。その中でも特に筆者の印象に残った内容として、以下の3つをご紹介する。

「We are changing the world through advertising!」

極端ではあるが、1955年ごろの米国某大手ハンバーガーチェーンのビルボード型交通広告(*不明瞭な価格の根拠、だれが見たか、その結果として何人が店舗に来訪し、いくらの売上に繋がったか、といった効果測定など当然できなかったの意)と現在の最新のプログラマティック広告を比較し、歴史上最も効率的かつ効果的であるプログラマティック広告が社会に多大に影響するとともに、プログラマティック広告および業界のさらなる発展に確固たる自信を持っていることを話していた。また、プログラマティックを通じて、媒体社に収益を還元し、媒体社の優良コンテンツの育成に繋げることで、民主主義の発展にも寄与出来ると考えているといった、プログラマティック業界の社会貢献についての言及もあった。

「インドネシア、シンガポール、日本などの国では米国がそうなる前に100% Programmaticに。」

100%というのは今現在ではにわかには信じがたいものの、この主張の根拠として、数年前のこれらの市場と比してのプログラマティック広告の成長度合いや、プログラマティック広告が特定の地域・国のみならず、世界中すべての地域・国において急速に普及していることを上げていた。また、プログラマティック広告の先駆けとも言える各種Exchange/SSPを通じた広告枠の自動取引が始まって以降、これらを超える広告取引システムが市場の主流とならなかった点をあげ、「プログラマティック広告の流れはもう止まらない!」とも話していた。

「将来的には、配信される広告量はターゲティング精度向上によりユーザーとの関連性が高まり、今より少なくなるだろう。広告単価は今より高くなっているだろうが、その価格に見合うだろう。」

現在のようにすべてのユーザーにほぼ必ず何かしらの広告が表示されるというのは、いずれ過去のものになるのかもしれないと感じた。

後者のプレゼンテーションは、インハウスでのプログラマティックへの取り組み、および直面した課題と対処法に関するものであった。「Transparency」という言葉が、筆者がAdtech NewYorkに2010年秋に参加した際は、「どこに配信されたか」や「どこに配信するか」というBuyerからのコントロールの文脈で使われていたことが多かった印象だが、本プレゼンテーションではOpen Auctionのコスト構造についての話(広告主から媒体社までに介在する事業者およびお金の流れ、いわゆるアドテク税)で用いられていたのが印象的だった。

こちらの写真は初日のウエルカムパーティーおよび2日目のランチの様子を収めたものだが、写真をいわゆる「カオスマップ」を想像しながらご覧いただきたい。業界内での情報交換および新たなビジネスの機会を求めて果敢にアタックする者たちが入り乱れるまさにカオスな状態。また、ランチはフリーシートで同席したもの同士で会話を楽しんだり、ビジネスの話に繋げる様子がまさに即席お見合いかのよう。今回の視察で、現地のAOLスタッフとの交流やプログラマティック広告が成長を続ける市場の空気を感じられたのはとても刺激的であり、この業界の今後がより楽しみに感じられた。

Programmatic I/O in San Francisco

(レポート:Senior Publisher Strategy Manager, Publisher Services Div. 野村晃一)

《ご注意》
本発表内容には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。