コラム

2016.7.7

DIGIDAY主催
「DIGIDAY PUBLISHING SUMMIT 2016」参加レポート


DIGIDAY PUBLISHER SUMMIT 2016

ブランド企業の経営戦略におけるデジタルマーケティングの重要性が高まる中、昨年9月に日本版をローンチしたデジタルマーケティング戦略情報メディア「DIGIDAY」は、ブランド広告主のみならず広告代理店やパブリッシャー、そして我々広告配信プラットフォーム事業者にとって重要な情報を日々発信している。

そのDIGIDAYが6/30, 7/1の2日間「DIGIDAY PUBLISHING SUMMIT 2016」と題して、企業をマーケティングの側面から支援するパブリッシャーにフォーカスしたサミットを開催。課題と可能性を同じくするパブリッシャー約30社と、これらパブリッシャーの展望に深く関わるテクノロジー各社が一堂に会し、期間中様々なセッションを実施した。

その中でAOLは、広告配信プラットフォーム事業社であると同時に自社メディアを運営する立場から、パブリッシャーの収益性向上を支援するテクノロジーについて情報を発信。その一部をレポートで紹介する。

アテンション・エコノミックスとは

今回AOLがお話ししたテーマは「アテンション・エコノミックスとは何か?」。代表の花崎と、AOLがパートナーシップを強化しているMOAT Inc.のシャオミン・シャオ氏がともに登壇し、AOLのプラットフォームとMOATのVIEWABILITY計測技術の掛け合わせによって実現するパブリッシャーの収益性向上の可能性について語った。

様々なコンテンツが溢れるディスプレイやスマートフォン上において、ユーザー一人一人が持っている限られた時間の中でいかに認知(ATTENTION)を獲得できるかは広告主にとって非常に重要な問題となっている。そのためこれまで媒体価値を測る指標として用いられてきたインプレッションボリューム(掲載回数)に加え、近年では「誰に・どこで・どれくらい見られているか=VIEWABILITY」や「コンテンツが充分に認識されているか=ATTENTION」が重視されるようになってきた。

DIGIDAY PUBLISHER SUMMIT 2016 アテンションエコノミクスとは
変化する広告評価の指標:VIEWABILITY と ATTENTION

広告評価の指標の変化についてシャオ氏は「欧米と日本では2, 3年のタイムラグがある」と話す。「VIEWABILITYは2012年頃にアーリーアダプターがテストをし始め、欧米ではすでに必須の指標となっている。日本でもワードとしては数年前から聞かれていたが、2015年頃からようやく『VIEWABILITYで何ができるのか?』が調査され始めたところ。商品をオフラインで販売する企業や商品を購入するまでのリードタイムが長い業種、つまりブランディングをより重視する広告主からの関心が高いと感じている」

このVIEWABILITYとATTENTIONを定量的に計測する技術をもっているのがMOATだ。シャオ氏はVIEWABILITYが抱える”症状”に以下の例を挙げている。

  • OUT OF FOCUS:ブラウザが他のページの背面に入ってしまっている状態
  • MISSED OPPORTUNITY:広告の50%以上が画面に表示されていない状態
  • OUT OF SIGHT:スクロールしないと見えない位置に広告が”掲載”されている状態
  • MISSED OPPORTUNITY(TIME):広告掲載箇所が、内容を認知できないようなスピードでスクロールされてしまっている状態

MOATはこれらの”症状”を検知することによって、広告評価に透明性を求めるマーケターの声に応えている。

DIGIDAY PUBLISHER SUMMIT 2016_High attention Publisher PMP
媒体社の収益性向上を支援する「AOL- High Attention Publisher PMP」

AOLは今回のDIGIDAY PUBLISHING SUMMIT 2016で、MOATの技術とAOLがもつブランドセーフティなパブリッシャーネットワークを掛け合わせた「AOL- High Attention Publisher PMP」を発表した。
IN-VIEW率∗ の高い広告枠を保有するプレミアム媒体に特化したこの新たなプライベートマーケットプレイス(PMP)で、本来の媒体価値を尊重した広告価格設定を実現することにより、AOLはバプリッシャーの一層の収益性向上を支援する。また「AOL- High Attention Publisher PMP」は広告主にとってもVieabilityが保証された広告枠を買い付けられるサービスとして期待されている。

∗ In-View率:広告配信の全インプレッション数において、ユーザーのブラウザ上に広告の50%以上の面積が1秒以上表示されている状態のインプレッションの割合(ディスプレイ広告の場合)

DIGIDAY PUBLISHER SUMMIT 2016_High attention Publisher PMP
「AOL- High Attention Publisher PMP」詳細はこちら

AOLプラットフォームズ・ジャパン、米MOAT社とのパートナーシップによりプレミアムパブリッシャー限定の「AOL- High Attention Publisher PMP」を発表
~Viewabilityに応じた価格設定で媒体社の収益性向上を支援

パブリッシャーにとっての8つのキーワード

イベント冒頭でDIGIDAY日本版の長田編集長は「デジタルを取り巻く状況はこの4-5年で大きな変革を迎え、特に2011年の東日本大震災を機に圧倒的な存在感を持つようになったSNSの力は業界に大きなインパクトを与えている。急速に普及するスマートフォンと分散型メディアの親和性を考えた時、パブリッシャーは読者の”居場所”に記事を届けるということを考える必要があるが、今やPCよりも早くスマートフォンに触れるとも言われる若年層と媒体社との間にある溝を埋めることはデジタルの力をもってしてもまだまだ難しい」というスピーチとともに、パブリッシャーにとってのキーワードを【SNS/スマホ/若者/アドブロック/プログラマティック/グローバル】の8つにまとめた。

中でもアドブロックというキーワードについては「オーディエンスやブランド一つ一つの特異性に沿ったコンテンツと手段を選んでいく必要がある」(Time Inc.のJohn Marcom氏)、「優良なコンテンツがFTの強みである強力なエンゲージメントを実現している」(Financial TimesのSacha Bunatyan氏)と、媒体各社によるセッションでも量から質へシフトする必要性の主張が目立った。Bunatyan氏はまた「そもそもアドブロックは媒体社と広告主の問題である前にユーザーにとって解決しなければならない問題。解決のためにはユーザーを置いてきぼりにせず参画してもらうべき」と指摘した。

今後ますますデジタルネイティブが力を持つようになる中で新聞社やデジタルパブリッシャーは何をしていくべきか、そして分散型メディアが台頭するなかで各社はどのように共存共栄を打ち立てていくことができるのか - 長田編集長はイベントの総括として「答えは出ないが、業界そのものの生き残りがかかっている時代に課題と可能性を同じくするパブリッシャーの集まりを絶やさないことが重要」と話した。

《ご注意》
本発表内容には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。