コラム

2016.6.9

Advertising Week Asia 2016 レポート


AdvertisingWeek Asia 2016 AOL

Advertising Week は2004年の創設以来、ニューヨークで12回、ロンドンで4回の開催実績を誇る世界最大の広告業界イベント。広告やアドテック、マーケティング、メディアの専門家が一堂に会して毎年大変な盛り上がりを見せ、これまでに世界中からのべ200万人以上の参加者を集めてきた。AOLはその第一回開催時からスポンサーをし「広告業界を支える全ての人のためのイベント」とも言われるAdvertising Weekの発展を見守り続けている。

日本(アジアパシフィック)で初めての開催となる今回、会場の東京ミッドタウンには国内外から数千人が来場し、各セッションも立ち見が出る盛況ぶり。AOLは期間中に3つのセッションで最先端の情報を発信した。その一部をレポートでお伝えする。

Advertising Week Asia 2016: http://www.advertisingweek.asia/

DAY1:PROGRAMATIC

初日のInnovation Stageでは「プログラマティックの進化」と題し、プログラマティックが起こすモバイルアドの“次の波”について、AOL International のHead of Strategy & ExecutionであるTariq Mahmoudがデジタル・マーケティング業界のプレーヤーらと議論を交わした。

プログラマティックの進化

デジタル広告業務の自動化という意味においては、米国の90%のアドバタイザーが何らかの形でプログラマティックに関与していると考えられている。一方でテレビやオンライン、オフラインなどのマーケティングデータを正確につなぎ、真に効果のある形で応用させていくことができるかどうかは今後の課題だ。

デジタル広告全体に占めるモバイル広告の割合が30-40%に達する中、昨年芽吹いたモバイル・プログラマティックの次の一手は「個人による独自のメディア体験」。それこそが企業のポジショニングやメディアの使い方を考えるうえで重要なポイントになるという指摘とともに、Tariqは一例として米国の大手ホテル会社によるモバイル広告の活用方法を紹介した:予定よりも遅れて空港に到着した人へ向けて広告を配信し、それらの人々を自社のホテルへ呼び込むというものだ。効果もさることながら「予算を効率よく配分できる」という点も、プログラマティックについてマーケターが知っておくべき大きな特徴であると言える。

人とブランドをつなぐというシンプルな目的を達成するためのプロセスが複雑化する現在において重要なのは、広告主が「プログラマティックが一体何を実現できるのか?」ということを正しく理解し、適切な投資をすること。当然ながらプラットフォームそのものの技術的な進化が待たれる側面もあり、それに関与する人々のスキル向上への投資も今後増えていくだろう。こうした状況に広告主とベンダーの双方が適応していく中で、広告代理店との関係もまた新しいものになっていく未来が予測される。

AdvertisingWeek Asia 2016 AOL
DAY2:DATA

2日目のセッションテーマは「データ活用の次の一手は?クロスデバイスと配信方法多様化への対応」。データ活用による消費者への効果的なアプローチについて、DIGIDAYの長田真編集長をモデレーターに、プラットフォーマー代表としてSupership株式会社の小林様、広告主代表として日本マイクロソフト株式会社の松田様が登壇。AOLからはHead of Data & Market AttributionのAlex Timbsが登壇した。

データ活用の次の一手は

マーケティングで重視する指標について、広告主とプラットフォーマー双方の意見が一致するのは「指標に大きな変化はないが、より複雑化している」という傾向。これまで重視されがちだったPVやUUといった指標への関心度は変わらないものの、それらが果たして本当にマーケティングのゴールに貢献する数字なのか?ということをよりシビアに捉える必要が増している。

このような流れの中でAOLが取り組んでいるのがテクノロジー・スタック、つまり包括的なテクノロジーの活用だ。AOLがこれまでテクノロジーに投資してきたことは言うまでもないが、広告主の目がシビアになった現在では、広告に由来する属性情報に加えて季節や経済動向といった外敵な要因を追跡し、使ったお金が一体どれほどの収益をもたらしたのかを把握することが不可欠になってきている。

こうした追跡やターゲットへの確実なリーチを実現する動画広告が、いわば“推測”に基づいて配信されてきたテレビCMの一部に取って代わりつつあるのは自然の流れだが、さらにテレビCMと動画広告を掛け合わせる動きが急速に進んでおり、早くも来年には成熟期を迎えると考えられている。

実際に欧米ではプログラマティックTVというものが台頭しており、オーストラリアのテストマーケットで成功を収めたことからもテレビ事業者を含む市場の反応はおおむねポジティブだという。一方でデータ活用に関する一連の取り組みと「名寄せ」、つまり個人IDが切っても切り離せないものである以上、個人情報に対して慎重な考え方をもつ消費者が多い日本においてはまた少し違ったアプローチが必要になるのかもしれない。プラットフォーマーにとってはデータの“量”より“質”を重視する方向へシフトするタイミングでもあり、新たな可能性と技術的な課題の両方に向き合う時代であると言える。AOLはこうした潮流の中、あらゆるデバイスやチャネルでの顧客接点を捉えるマルチ・タッチ・アトリビューション「Convertro」を近く日本でも展開する予定だ。

AdvertisingWeek Asia 2016 AOL
DAY3:INNOVATION

 最終日のセッションテーマは「THE TRANSFORMATIVE MARKETER(直訳:変革するマーケター)」。日本語では「グローバルに活躍するマーケターの必要要素とは」というテーマで、広告業界をメディア側から支えるリーダーらが登壇した:Smartnews広告事業開発担当者の川崎様、ハフィントンポスト日本版編集長の竹下様、モデレーターに宣伝会議マーケティング研究室の隂山様、AOL からはGlobal Corporate Marketing のMichele Morelli。

これからのマーケターに求められること

マーケターが変革しなければならない背景には消費者自身の変化があるが、例えばニュースメディアにおける消費者の変化を一口に「テレビからウェブへのシフト」とした場合にも、そこにはいくつかの切り口がある。ハフィントンポストは「他の何かをしながらニュースを見るようになった」という切り口から「文体を変えて人々の生活に入り込む」という変革を起こし、Smartnewsは「アプリでニュースを見るようになった」という切り口から「スマホに特化したニュースを提供する」という変革を起こした。

こうした変革の過程においては、同じ目標を共有しているはずの社内で指標がブレたり、データの量が増えすぎることによって本当に必要なデータが分からなくなってしまったりするというリスクもある。これからのマーケターは、PVが万能であるという考え方を捨て、同一のユーザーであっても毎秒変わるような行動の傾向を追うことを求められるだろう。最後にSmartnewsの川崎さんは、他社に率先してリスクを取ることの重要性を指摘。「マーケターは時に他社と補完し合うという選択肢を持つことで、ユーザーを次の新しい体験に連れていくという共通の目標を果たすことができる」と話し、セッションを締めくくった。

Connects Cocktail Party Sponsored by AOL

期間中は昼夜に渡って様々なイベントが開催されるのもAdvertising Weekの特徴。セッションでの情報発信に加えてAOLは、カクテル・パーティーのスポンサーとしてもAdvertising Weekを盛り上げた。

《ご注意》
本発表内容には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。