コラム

2016.5.27

米国動画業界トレンド

業界エキスパートの着眼点 Part1:

デバイスの多様化により見直される広告予算


米国動画業界トレンド- 業界エキスパートの着眼点 その1:デバイスの多様化により見直される広告予算

AOLでは、専門家による協力のもと、注目の動画業界でキーとなるトレンドについてヒアリングおよび分析を行いました。業界エキスパートがいかにして消費者の動向変化を把握し、それを動画、モバイル、ブランドコンテンツ戦略に活かしているか、4回のシリーズに分けてご紹介していきます。マーケターの皆様には、ぜひ2016年の更なる成功にご活用いただけますと幸いです。

いまや消費者が全ての決定権を持ち、いつ、どこで、どのようにコンテンツと接触するかを選択しています。広告主は、そうしたニーズに耳を傾けなければなりません。もはや30秒のテレビCMでは、多様化したオーディエンスとデバイスすべてにおいて結果を生み出すことはできないでしょう。主導権は消費者の側にあるのです。

消費者の利用する様々な端末すべてにおいて、それぞれの端末に最適化されたパーソナライズメッセージや体験を提供することが、広告主、広告代理店、パブリッシャーの課題となっています。

そこで、マーケターやパブリッシャーが現在のあらゆるメディアを活用し、成功するために必要な3つのトレンドをご紹介します。

テレビの視聴者は細分化が進み、視聴者にリーチすることが難しくなっている。

まずはこの事実を認識しましょう。テレビは現在もマーケティングにおける主要な柱であり、感情的な繋がりを届けるのに有効なツールであることは間違いありません。一方で、視聴者層全体の減少によって、テレビという媒体のインパクトは以前に比べ小さくなりました。

注目すべきは、18-49歳という、テレビ広告によるリーチを最も期待する年齢層の視聴率が、2012年から2015年にかけて毎年平均して3.1パーセントずつ減少しているという事実です(∗1)。

では、消費者は動画を見なくなったのでしょうか。実際は、他の視聴デバイスに移行しているに過ぎません。

業界が追いつかないレベルで、デジタル動画の消費は爆発的に拡大中。

消費者は、より多くの時間をデジタルメディアに割くようになりました。そのため、現在も利用者が増え続ける多様なデジタル端末へ注意が向けられているのは自然な流れです。

アメリカの成人は一日に平均して76分をデジタル動画の視聴に費やしています。これは、4年前と比較して約1時間も長くなっています。テレビを視聴する時間が毎年減少している一方で、動画を視聴する時間は増加しました(∗2)。

こうした変化は、視聴者がテレビ以外にコンテンツを求めている傾向を示しています。オーディエンスが、映像を様々なデバイスで楽しみたいという要求は増え続けており、とどまるところを知りません。

ストリーミングサービスの出現により、消費者は好きなコンテンツを、好きな場所で、好きな時に視聴できるようになりました。これによりサービスや端末の細分化が起こり、広告主にとってはターゲットに手を伸ばすことがより難しくなっています。

マーケターは、このことに気づいています。AOL発表の「米国動画業界動向2015」によれば、バイヤーの10人に9人は消費者のデジタルへの移行傾向を反映して、それまでの広告予算の編成を改めているといいます。これは、テレビという最も効果的と考えられてきたマーケティングチャネルからの大規模なシフトを象徴しています。

テレビからデジタルへと予算をシフトしたマーケターの55パーセントは、予算の再配分はモバイル動画に向けたものだと言いました。パブリッシャーも、モバイルでの収益が2016年のデジタル収益の29パーセントを占めるであろうと報告しています。

広告を確実に消費者に届けるためには、消費者が求める画面上、フォーマットで配信することが必要です。

コンテンツ消費において、利便性がカギとなる。

2015年だけでも、アメリカの1.9億人以上が500億以上のオンライン動画をモバイルで視聴しています(∗3)。未だかつてないほどに、消費者にとっての利便性が、メディア消費を促すカギとなっているのです。

AOLによる調査では、動画視聴者がデバイスを選択する際、高品質の動画が視聴できるということよりも、便利で手軽に視聴できるという点を重視して選ぶ人が約4倍いることがわかっています(∗4)。消費者は、その時手元にあるデバイスでコンテンツを探しているのです。

マーケターは、効果測定とアトリビューションをモバイル動画の課題と認識していますが、それでもモバイル動画への期待は揺るぎません。広告主のうち半数は昨年と比べて平均して8パーセントほどモバイル動画への投資を増やす計画をしています。利便性ベースのコンテンツ消費へシフトが続く以上、広告主はモバイルを「主要スクリーン」として考え始めなければなりません。

次回Part2もご期待ください。

A+E NetworksやGroupM、そしてHorizonなどの業界エキスパートによる見解を共有し、このメディアトレンドの深い知識を手に入れましょう。「2015年 米国動画広告業界動向」日本語版はこちらから

    参照元:
  • ∗1:Nielsen MonitorPlus(2012-2015年)
  • ∗2:”U.S. Adults Spend 5.5 Hours With Video Content Each Day” eMarketer(2015年4月)
  • ∗3:”U.S. Smartphone Subscriber Market Share” comScore(2015年8月)
  • ∗4:”AOL Mobile Video Research” AOL(2015年)
米国動画業界トレンド
業界エキスパートの着眼点(全4回)

米国AOL Platforms掲載原文 ※英語記事
[ Expert Voices: Part 1: How Consumer Device Habits Are Redefining Advertising Budgets ]

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本発表内容には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。