コラム

2016.4.15

「アドレス可能なテレビが、今年転回点を向かえる」

AOL: We’ll Reach the Tipping Point for Addressable TV This Year


「アドレス可能なテレビが、今年転回点を向かえる」とAOL

リニアテレビ放送が衰退していると盛んにいわれる反面、米国人は今もテレビ番組を平均で1日4時間視聴しており、広告主は視聴者にリーチするために年間710億ドルを費いやしている。決して小さな金額ではない。しかしこの投資のうち大部分は明らかに無駄になる。適する人間にリーチできているかどうかが広告主に分からないからだ。

プログラマティック広告はより賢い買い付けとROIを約束するが、テレビ広告への導入は遅かった。これが変わりつつあり、今年、転回点を向かえようとしている。オーディエンスをターゲティングし個々の広告メッセージを「アドレッサブル(アドレス可能)」にできるということが不可欠になりつつある。それを推進する大きな力が3つあり、今年頂点に達する。米国大統領選挙、成熟したインフラと代理店の能力、メディア産業の統合である。

大統領選挙がアドレサビリティ(アドレス能力)を推進する

データドリブンなオーディエンスターゲティングに依拠した2012年のオバマの再選キャンペーンの成功を受けて、政治広告ターゲティングソルーションというまったく新しい産業が生まれた。今日、デジタル広告代理店におけるテレビ視聴者に関するデータインフラ成熟のおかげで、こうしたターゲティングはアドレス可能なテレビに拡張できる。

この種の仕事をする政治コンサルタントらは投資の費用対効果を30パーセント上げることができると話す。選挙結果を実際に左右しうる個人をより精密にターゲティングしてリーチしながら出費を抑えることができるのは候補者にとって魅力的だ。たとえばニュージャージー州知事のクリス・クリスティは、ある人気スペイン語恋愛コメディの視聴者よりもあるスペイン語のメロドラマ番組の視聴者の方が自身のメッセージを受け入れやすいということをデータ解析で発見した。

政治キャンペーンにとってアドレス可能なテレビには抗しがたい魅力がある。精密なターゲティング能力と伝統的なテレビコマーシャルの力という、最も強く求められる二点が組み合わさっているからだ。今年の全国的選挙に関わる利害の大きさは、政治広告ターゲティングソルーションの既存のインフラと組み合わさって、アドレサビリティ(アドレス能力)をこれまで以上に推進していく。

インフラの成熟と機能増大がアドレサビリティ(アドレス能力)を推進する

精密な政治広告ターゲティングへの需要と広告主の理解拡大に加え、この業界全体が統合しつつある。広告デリバリーの手順がより効率化され単純化されつつあり、アドレス可能なテレビに規模感がもたらされつつある。

Verizon による AOL の買収、AT&T による DirecTV の買収はどちらも、かつて複雑で難しいプロセスだったところに洗練されたアドテクシステムをもたらす。どちらの買収も、広告主が多様なプラットフォームとデバイス上で消費者をより効果的にターゲティングし広告をトラッキングすることを可能にする。

とはいえ規模感は費用低減を意味するとは限らない。しかし、政治広告であれブランド広告であれ広告主は適切な広告を適切な人に届けることの価値を知っており、そのために投資する用意がある。広告主はついに古典的な年齢層と性別という単純なターゲティングを超えて、投資利益率を増加させることができる。

業界の統合がアドレサビリティ(アドレス能力)を推進する

政治広告ターゲティング産業にはインフラを成熟させる時間があったが、テレビ広告のその他エコシステムもまったく同じだ。データドリブンなプログラマティック広告の急成長はデータを扱う企業、マーケティングテクノロジー企業、アドテク企業、広告主、代理店、メディアを刺激し、データ処理やターゲティング機能、計測方法、アトリビューションをついにオンライン広告に匹敵するまでに高度化させた。こうした能力はマーケターのテレビ広告についての考え方を変えつつある。

最近の IAB の研究で、アドレス可能な広告が高機能テレビの形式として広告主と代理店の意思決定者のあいだでもっとも人気があることが分かった。セカンドスクリーン広告やインタラクティブタグなど大きくもてはやされている他の技術をアドレッサビリティは上回った。回答者はターゲティング性能の高さとパーソナライズ化、ローカライズ化されたメッセージを届けられることを利点として言及した。かつて方程式に欠けていたこれらのピースがついに埋められ、アドレサビリティ(アドレス能力)が発進する時が来た。

転回点が来る

アドレス可能なテレビが大幅に採用されるまでには課題も残っている。多くの視聴者はまだアドレス可能でないテレビを持っており、アドレス可能な広告の計測と解析の標準化はまだ完璧からほど遠い。

しかしアドレス可能なテレビの転回点は今年やって来るであろう。政治上の必要性とインフラの成熟とメディア業界の統合のおかげで、アドレス可能なシステムはテレビ広告買い付けパターンにおける定番の、そして必須な手段のひとつとなろうとしている。

ケーブルテレビ業界が長年約束を先延ばしてきた夢を実現する時が来た。可能な限り高い関連性を持ち個々人にパーソナライズ化された広告を通して、広告主は質の高い潜在顧客へリーチできるという夢だ。

US Media Village掲載原文 ※英語記事
[ AOL: We’ll Reach the Tipping Point for Addressable TV This Year ]

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