コラム

2015.6.19

デジタルの未来を探求
~Delving into the digital future~

Graham Moysey
デジタルの未来を探求

AOL International責任者のグラハム・モイジー氏がタイムマシンに乗り込み、未来のメディア業界を占う4つのトレンドをとらえます~「テレビ市場では大規模な分裂が起こるため、マーケティングはデバイス中心から"人"中心へとシフトしていきます」

30年前の私の夢は、ダウンヒルのスキーレーサーでした。今は世界的なメディアテクノロジー企業において国境を超えたビジネスに携わっています。このように、未来を予測することは、このデジタル業界ではとりわけ難しいことです。もちろん今私たちがいる世界は、この尊敬する雑誌(MediaWeek)やAOLがこの世に生まれた時代とは全く異なっています。1985年にさかのぼると、私たちが現在愛用しているようなインターネット現象はまだ構築の初段階で、2015年などはマーティ・マクフライのタイムトラベル冒険映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」に代表されるハリウッドのファンタジーのしろものでした。宙を浮くスケートボードや空中運転車はまだ実用化されていませんが、私たちの業界に起きた変化の大きさは否定できないものがあります。

私たちはAOLという場で、応用と革新がいかに必要であるかを学びました。今年、当社も30周年を迎えるにあたり、私の予測として今後のデジタルビジネスを占う4つのトレンドをご紹介しようと思います。

マルチスクリーンが多勢を占め始める

テレビ業界は崩壊を目の当たりにしようとしています。メディアとコンテンツ消費において起きている変化は、すなわち、大きな1枚のテレビ画面が占領している現状からApple TVやSamsung TVのようなマルチスクリーンと複数デバイスの利用へと移りつつあるということを意味しています。映像、音声、動画の消費はますます活発になるでしょうが、テレビ市場では大規模な分裂が起こり、デバイス中心から"人"中心のマーケティングへのシフトがもたらされることでしょう。このような状況下で、マーケティング活動を行うのに重視されるのが、従来のテレビ放送も含んだあらゆるデバイスのプログラマティック化です。広告主は、数々の有益データとあらゆるデバイスから得られる情報を一つにまとめることで、より大規模に顧客へ語りかけることができ、本当の意味で統合的なアプローチができるようになります。

オープン性

オープンなプラットフォームが多大なメリットを生み出し始めています。オープンウェブとデバイスの利用が急激に伸びたことで、広告主と顧客の関係性は一変しました。数多ある単体ソリューションに依存するということは、一律の検証ができず、広告主は費用のかさむ制約に縛られたビジネス方法をとっているのと同じです。オープンプラットフォームとは、柔軟なデータ統合、広告在庫、クリエイティブの最適化、そしてアトリビューションをフルに活かすことができる、広告主にとっては唯一持続可能なアプローチです。

統合化

私たちの業界において、統合化と簡素化は避けることができません。現在は様々なソリューションや中間業者が過多な状態で、テクノロジー世界はあまりにも混沌としています。消費者の動きが変化するにつれ、無駄を切り捨て縦割りのサイロの垣根を取り払っていく必要があります。ロケット工学のような難しいことをいっているわけではありません。プロセスの簡素化によって、単に効率の向上につなげようといっているだけです。

人間の力

今や80年代の遺物となってしまったヤッピー(大都市周辺に住んで、知的な職業に携わる裕福な若者たち)ですが、彼らの挑戦的な生き方による定義では、お金は何物にも勝る価値を持っていました。今日、私たちは技術革新のまっただ中にいて、行動様式は変化し成功の度合いを測る物差しは違うものになりました。最高の労働環境と利益の還元が、才能を呼び寄せる新たな通貨となっています。

バック・トゥ・ザ・フューチャー2で予言されたあらゆるもの中で、インターネットがないことは注目に値します。この近代的な飛躍的進歩は多大な変化を生み出しました。また技術が進化し続けているため社員教育の必要性も増しています。人間の知識と才能は、今後30年間はまだまだ活発であり続けることでしょう。人間がきちんと人間のままでいるためには、単純な経済的利益を超えた思考をもって、未来の世代の豊かさを高め、夢が叶えられるような正しい労働環境を作り上げていかなければなりません。

2015年、私はまだダウンヒルのスキーレーサーになる夢を持ち続けています。ですが私たちの業界にとって心底わくわくするようなこの時代に、ポジティブな変化を起こそうと挑戦もしています。

Q&A –今年2015年はAOL創立30周年。数字30にかけたグラハムへの質問集です–
  • Q.  マーケティングやメディアにおいて、各自30歳までに達成しておくべきことは何でしょうか。
  • A.  変化への欲求をふくらましておくことですね。私たちの周りでは、あらゆることが大変なスピードで変化しています。いつでも、変化はとても良いことであると覚えておくのはいいことです。
  • Q.  使いたくてウズウズしているお金が30ポンドあります。何を買いますか?
  • A.  クロ・デ・パプを1本買います。1,500本のワインのブラインドテストで世界一をとったワインです。それが30ポンドなら、安いものですよ。
  • Q.  30分間で人生を変えられるなら、何をしますか?
  • A.  汗をかきます。健全な精神は健全な肉体に宿るものですからね。
  • Q.  時間を30年前に戻せるなら、何をしますか?
  • A.  絶対にAppleに投資して、両親の厄介者にならないようにするでしょうね!

《ご注意》
本発表内容には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。