コラム

2015.4.3

Problematic programmatic?
本コラムは、英国メディアMediatel Newsline掲載記事を和訳したものです。

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2014年10月9日、ノエル・ペンツァー

これからはプログラマティックの時代だ、とAOL UKの社長であるノエル・ペンツァーは書いている。しかし、私たちの業界を前に進めていくためには、この欠かせないスキルと知識を身に着け、その革命的な広告の形式を自分たちの大いなる財産へと確実に変えていく必要がある。

私たちは、プログラマティックの技術的な効率性とデータ機能が人間の洞察力や創造性と完璧に調和し機能しているような業界からどれくらいの距離に位置しているのだろうか?

そんな理想郷のようなビジョンは何光年も先の話だという人も多い。非常に長い間、プログラマティック取引は安い残り物のインベントリや底辺を争うコモディティ化の争いと関連づけられてきた。見当もつかないほど多くのテクノロジーやベンダーに支配され、業界の中心である創造性の文化的流れを混乱させ、絶滅へと向かわせようとする世界だ。

プログラマティックに多大な投資をし、世界をリードするメディアオーナーとして、私たちは事実関係をはっきりさせたいと考えた。月曜日に、私たちは、Programmatic Futures: Where Culture Meets Code.(プログラマティックな未来:文化とコードが出会う場所)という名の業界全般にわたる調査を立ち上げた。

英国を代表するメディアオーナー、代理店、ブランド、業界団体、トレーディングデスクといった業界のプロフェッショナルたち100名以上にインタビューを行い、今、プログラマティックが人々にとって持つ意味、そしてさらに重要なこととして、プログラマティックが人間の役割に及ぼしている影響について、その真相を探った。

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調査の一環として、私たちはプログラマティックに対する一般的な思い込みを調べ、真実を明らかにしたいと考えた。プログラマティックは創造性の欠如へと繋がるのか?人員の数に影響を与え、人々は減っていき人々による決定も減っていくのか?共同作業が減り、クライアントとの関係が損なわれるのか?

結果はどうだったろうか?問題があるどころか、自動化の発達は、新しい機会と新たな創造性の波への可能性を開くものとなっている。そして、自動化が創造性を高める一方で、人間の思考による複雑な洞察力と微妙な判断への根本的ニーズも存在し続けているのだ。

プログラマティックを通じて、新しい広告の瞬間と新しいタイプのストーリーテリングが生まれてきている。データを複雑に使い、消費者を絞って追跡し、完全に最適なメッセージを届けることは、キャンペーンがこれまでにない能力で計画され、実施されることを意味する。

プログラマティックテクノロジーによって消費者を絞り追跡する能力が新しい創造性の形に繋がると思うかと問うたところ、47%が思う、非常に思うと答えており、思わない、まったく思わないと答えたのは24%であった。また64%が、プログラマティックは異なるメディアやプラットフォーム全体にわたりキャンペーンをよりよく統合する効果があると思うと答えた。

全体的に、業界ではプログラマティックは創造性を高めると信じており、回答者のおよそ半数(48% )が、前向きな効果があると考え、バイサイドの回答者ではこの数字が56%に上がる。これと比較すると、創造性を妨げるとする人は28%に留まった。

私たちはまだプログラマティックの初期段階にいるが、すでに自動化には時間の節約という利点があることを見いだしており、実際に人々は(正確に言うと3分の1の人々)ネイティブ広告など高価値のフォーマットに注力できるようになっている。あなたがどのように考えようと、プログラマティックは広告における創造性の発展にとってかつてないほど重要になっているのだ。

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思い込みを一掃する

プログラマティックの台頭によって固定化されているその他の思い込みについてはどうだろうか?一緒に働く人々の人数は減っていき、クライアントや代理店との有意義な関係は徐々に失われてしまうのだろうか?それとは反対であることが分かった。

調査をした人の57%が、広告におけるプログラマティックテクノロジーが人々の役割にとって代わると思わない、またはまったく思わないと回答した。そして、アドバタイジングジャーニーのあらゆる時点での関係性がプログラマティックによって強化されている中で、この業界において人々はかつてないほど絶対不可欠な存在となっている。

実際、プログラマティックのヘビーユーザの4分の1以上(29%)が、プログラマティックのおかげでクライアントとの時間が増えていると回答しており、回答者の65%が、プログラマティックの結果、戦略やオーディエンスについて話す時間が増えていると思うまたは非常に思うと回答している。

最近では、プログラマティックが共同作業を破壊していると議論されることが多い。キャンペーンのすべてをデスクトップで管理できるなら、相談や協力をする必要がどこにあるというのか?

だが逆に、代理店やパブリッシャーがこれまでになかった意味で信頼のおけるパートナーとなっていることが分かっている。プライベートマーケットプレイス、そしてプレミアムインベントリを提供する革新的なパブリッシャーの登場により、代理店やメディアオーナーは、プログラマティック戦略から最大限の価値を生み出そうと協力し始めているのだ。

プログラマティックの進化が直面する最大の問題としてしばしば不正とブランドセイフティが取りあげられるが、バイサイドとセルサイド間のダイナミクスの変化が、今では信頼性、公正さ、より良く作用する関係へと繋がっている。

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業界全体に与える意味とは?

テクノロジーがかなり大きな役割を果たし、私たちの調査による統計ではプログラマティックには依然として軋轢を招く力もあると示されたことは否定できない。

とは言え、はっきりしているのは、人間による繋がりや人間の洞察力が依然として欠かせないということである。

これからはプログラマティックの時代だ。しかし、私たちの業界を前に進めていくためには、この欠かせないスキルと知識を身に着け、その革命的な広告の形式を自分たちの大いなる財産へと確実に変えていく必要がある。

AOLでは、プログラマティックが持つ問題は、教育とトレーニングに投資することで簡単に克服できると考えている。回答者の3分の1以上(35%)が、スキルの差がプログラマティックの抱える最大の緊急課題であると考えており、プログラマティックにより自分たちや自分たちの同僚が仕事をするために必要なスキルはどの程度変化するかとの問いには、過半数(61%)が大幅に変化するだろうと答えている。

AOLが全業務にわたり、スタッフのスキル向上に取り組んでいるのはこのためである。私たちの業界が極めて盛り上がりを見せているときに、自分たちの知識やスキルを発展させ持続していかねばならない。

伝統的な営業規律やコミュニケーションスキルは今も業務に欠かせない。しかし、こうしたスキルがより鋭い分析的洞察力、人間の論理や創造的思考と結びついたとき、自分たちがブランドや消費者が求めている洗練されたモダンなキャンペーンを作り出すのに必要な専門性を備えていることが分かる。これはマスメン(ウーメン)(データをベースに合理的思考をする人間)とマッドメン(ウーメン)(Mad Menは1960年代のニューヨークの広告業界を描いたTVドラマ。ここでは「古き良き時代の人間」を指す)との非の打ちどころのないコンビネーションなのだ。

プログラマティックは、プロブレマティック(問題がある)だろうか? 私たちは、プログラマティックは、プログレッシブ(進歩的)だと考えている。

※記事内容は2014年10月当時のものをそのまま掲載しています。

《ご注意》
本発表内容には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述はリスクや不確実性を内包するものであり、経営環境の変化などにより実際とは異なる可能性があることにご留意ください。また、本発表資料は、日本国内外を問わず一切の投資勧誘またはそれに類する行為を目的として作成されたものではありません。