コラム

2015.3.13

ダイナミック広告のクリエイティブに関する課題とは?

Bob Lord

リアルタイム・マーケティングへの投資は、従来の創造性が必要とされる広告制作プロセスと、同じく創造性が要求されるデータ主導型のメディア・バイイング (広告枠管理業務) との間に何も繋がりが無いため、進展が妨げられている、とAOL Platforms グローバルCEOのボブ・ロードは語る。

バルセロナで開かれたモバイルワールドコングレスのスピーチでロードは、現在は広告主の側が広告制作のための創造的な資産を持っているものの、ダイナミック広告を提供するためには量・質ともに足りておらず、またこのため、リアルタイムでコンテキスト重視型のマーケッティングの有効性がなかなか認められず、その投資が足踏みしている状態だと述べた。

「ここで現実の障害となっていますのは、ダイナミック広告においても創造性をどんどん高めなければならないという点です。私は、一旦は広告掲載場所(プレイスメント)を固定して考えます。皆さんの現時点の状況も毎日やっていらっしゃる内容も私はよく理解しておりますが、現実には、お客様をつかんで目標となる広告成果を得るためには、我々は4つどころか4,000もの広告掲載場所を想定して創造性を発揮しないといけないのです。

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ただ、ひとまずプレイスメントを固定すれば、その上に創造性という指標を重ねることができます。プレイスメント広告に創造性を加えて最適化を進められるわけですが、そこに至るまでが実は大変なのです。」 「創造性は掛け算で増やしていかなければなりません。一連のメッセージの繋がりを考慮するだけではなく、現状を打ち破るようなメッセージも作り出さなくてはなりませんし、ブランド化も必要になってきます。」 とロードは語った。

そして彼は最後に、「よく訓練されたテクニカル・アーキテクト」 であれば広告代理店のクリエィティブ・ディレクターと同じくらい高い創造性を持っているのだから、創造性が必要とされる計画立案の過程では重要な地位につけるべきだとの考えを示し、こう付け加えた。「これは今現在 こんなふうに言うことは 創造的な広告を作るこの世界ではまだちょっと異端に見られるとは思いますが。」 ロードは、メディア・バイイング (広告枠管理) の業務ではコンテキスト (文脈) が重要だと言う。AOLではこれが 「重要なバロメーター」 となっているそうだ。

「まずは検索と言うコンテキストからすべてが始まりました。それからソーシャル上のコンテキストに移ってソーシャルグラフというものが導入され、今は興味関心グラフが中心です。関連する様々な情報の最上層に、現在位置と興味関心のレイヤーが置かれるなら、コンテキストの理解にとってこの上ない基礎となります。それがあれば私どもの宣伝広告も、単なるお客様との対話に留まらず、お客様方のために価値ある情報を交換する場にできるでしょう。」

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「バナー広告がモバイルではうまくいかないとよく言われますが、それはやり方が間違っていたからです。モバイル端末はあなたがインタラクティブにやり取りをする相手だという事実に、私たちは気づいていなかったのです。」と彼は続ける。

研究結果によれば、会社が商業目的や、現在位置やコンテキストに適宜に基づいたブランド・メッセージを送信するなどの臨機応変な活動のために集めたいと思うような個人データを、一般の人たちはそれほどモバイル端末に登録しているわけではないそうだ。 それでも、年代が下がるとこうした不信感の度合いはぐっと下がる、とロードは語る。

「こうした不信感は困った問題として考えることもできます。でも実際には、若い世代ほど個人的なデータをまるでフォークリフトにでも乗せるように気軽に与えてくれます。これが実はひとつの価値の交換であると、彼らはわかっているのです。だから広告主側の皆さん、どうぞこうした若い世代との関係を大切に培ってください。」

最後に彼は、AOLのUK支社長に、GoogleでUKの代理店販売を統括していたヘイミッシュ・ニックリンが就任すると発表した。前任者のノエル・ペンツァーはTime Out (タイムアウト) 誌のヨーロッパ総局長となっている。

《ご注意》
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